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死体とご遺体 夫婦湯灌師と4000体の出会い (平凡社新書)レビュー
死体とご遺体 夫婦湯灌師と4000体の出会い (平凡社新書)は、さすが平凡社は違うなといったそんな印象です。
久々に第一印象で買ってしまいました^^;
「職業に貴賎はない」を実感する一冊
亡くなった方の身体を、葬儀に際し洗い清め、死に化粧を施す…「湯灌」という仕事に対し抱くネガティブなイメージを、著者は常に読者よりも先に差し出してきます。「こう思うでしょう?確かにそうです、でも違った見方をするとこうなんですよ」という感じです。著者はあくまでビジネスとして湯灌に携わっていて、そこには悲壮感や使命感はなく、時には笑いさえ織り交ざります。亡くなった方の死出の旅への準備をしながら、ご遺族の心の準備のお手伝いをするお仕事。湯灌のイメージは、最後にはそんなふうに変わりました。
タメになるけど面白みはない「平凡社」らしい作品。そこがいいのだが…
著者の湯灌師としての経験、その経験から得られていく湯灌師としての矜持、死生観が“淡々”と綴られている。文章も内容も淡々としている。読み終わった私は、そのとおりだよなぁと“静かに”頷き、そして、もし自分や身内が死んだら、こういう人の世話になりたいなぁと思ったのだが、それ以外の感想が湧かなかった。
「湯灌師としての著者」が書いていることが正しくて、否定できるようなことがなかったからという理由のような気もするし、著者の思ったこと考えたことが、経験に基づくものであり重たいということは理解できるが、それが私の想像の範囲内だったからという理由のような気もする。
死者に対する敬意。「死」を扱う職業への偏見。考えさせられることはたくさんあってタメになる。一度は読んでみたほうがよい本だと思うが、面白みのある本ではない。
この題材であればもっと扇情的(裏話的)なエピソードの紹介を著者に要求する出版社は多いだろう。だが、そうしないのが平凡社の平凡社たる所以か…。「死」を真面目に考えたい人向きの本といえる。
死について正面から考えさせられる本
普段読むジャンルの本ではないのだが、日経ビジネスの書評欄で取り上げられていたので読んでみた。現役の湯灌師が自らの湯灌家業と、湯灌家業を続けながら考える死生観を書いている。「湯灌」とは、人が亡くなったときに最後に洗い清め、葬式に向けて身支度をする行事のことであるが、僕自身が湯灌という慣習とは縁なく来ているためか、葬儀屋のほかに湯灌師という職業があることすら知らなかった。この本を読んで、いわば人間の静脈産業たる職業について初めてきちんとした理解を得ることができた。現代資本主義においては何でもそうだが、誕生するときは尊いものとして扱われる一方で、死ぬときはなるべく人目に触れぬようにひっそりと処理される。一昔前までは生死とも同等の価値を持つものとして扱われきたはずで、それが変質したのはいつ頃からなのだろうか。昨今の子供による殺人事件の多発などを見るに、「死」という事象が軽薄化してしまっているのは、このような死の儀式すらマニュアルに沿って処理されるようになっていることと無縁ではあるまい。残念ながら、ではどうすればよいかというよい処方箋が思いつくわけではないが、せめて自分が死んだときには、筆者のような湯灌師によって心を込めて最後の身支度をしてもらいたいと思った。
平凡社にしては、¥ 735と値段もお手ごろですので、お勧めです。
死体とご遺体 夫婦湯灌師と4000体の出会い (平凡社新書)
熊田 紺也

定価: ¥ 735
販売価格: ¥ 735
人気ランキング: 25895位
おすすめ度: 
発売日: 2006-04-11
発売元: 平凡社
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